令和フィルムカメラ(9) プリンセス・ミチコも使ったヤシカ44

こんにちは。上野治療室からです。

フィルムカメラが流行っている、という話は前回しました。
その中でも2眼レフカメラがじわじわと流行っているらしいのです。

いや流石にそれは、、と思い検索をかけてみたのですが、
中判という少し大きなサイズのフィルムを使うものが2眼レフカメラでは一般的。

通常の35mmじゃないとスキャン出来ないからなあ、、と調べていると
ちょっと改造すると35mmフィルムでも使える2眼レフがあるという話。

ふーんなるほど。でもそんなの見かけないしなあ。。高いだろうし。。

と思っていたら

中古カメラ店で偶然売っているのを見かけてしまいあっさり購入。。どうしてこうなった。。

という事でヤシカ44という2眼レフです。
検索をかけると上皇后美智子さまが結婚する際嫁入り道具として持っていたカメラなのだとか。

このカメラ、2眼レフとしてはかなりコンパクト。
iphone15と並べても若干小さい位。厚みはありますがスマホをぶら下げているのと
変わらない感じなのです。いや大きいけど。


ミラーがくすんでいたのですがあれこれやってみたらピッカピカの綺麗な状態になりました。

少々傷をつけてしまいましたがスクリーン部分も部品を外して綺麗に。
2眼レフは部品が少なくてメンテナンスや手入れがしやすいですね。



あとはシャッター部分にサビが出て引っ掛かりがあったので金属磨きで落としたのと
レンズに汚れがあったので分解して掃除。シャッターは問題無さそうだったので触りませんでした。

あとは35mmフィルムを使えるようにするために元々ついているフィルム押さえなどのパーツを
外してしまいます。これでOK。
あとは35mmフィルムを入れてスペースが空いているところにフィルムのキャップを切ったものを詰めて
幅を合わせてやればOK。

さてこれで35mmフィルムでの撮影が出来る筈なのです。
なのですが、ここからが色々大変でした

当初リバーサルフィルムを入れて花火でも撮ってみようか!?と試してみたのですが
フィルムの巻き上げが出来てなく全く撮れていない状態に。

という事でテスト用のフィルムを使用。ちゃんと先端を切って
巻き込まれたのを確認して動作テスト。

ところが次はどの位巻いていいのか分からない。
というかカウンターが無いのでどの位巻いたのか、何枚撮れたのか分からない。

ちゃんとフィルムが巻けていないとコマが被ってしまうというので巻いて撮りました

一応撮れていたのがこれです。。
どうやら巻きすぎたみたいで大半が空白のコマ。撮れていたのは4枚くらい。

こんな感じでフィルムの横にある穴の部分まで感光するのです。これは面白い。

とはいえ普通の35mmフィルムスキャナしか無いので、綺麗に取り込むとこんな感じ。
通常より少し大きいかな?という画像サイズです。
レンズは綺麗ですしよく写る気がします。ヤシノンレンズいいですね。気になります。

という事で撮影出来たフィルムの大きさを測り、巻き上げした時の幅を測ってみて

もう一度巻いてだいたいの印をつけて更に幅を測ります

現像されたフィルムは42mmくらい
クランクで一回巻くと32mmほどフィルムが進む、という事がわかりました。

そのクランクの動作なのですが、本来ベスト判フィルムだと10枚まで撮影可能。
なので1枚目と10枚目でフィルムの巻き上げ角が随分変わる事が分かりました

スタートから1枚目でここまで来ますが


5枚目、10枚目と進むにつれてこれだけ角度が変わります。
円柱状のフィルムを巻き上げるので中心部分に進むにつれて巻き上げ量が変わるんですね。

カウンター自体は10枚目の8時方向に写っているボタンを押すとリセット出来るので

撮影→巻き上げ(1と1/4程度)→カウンターリセット→シャッターチャージ→撮影

とやれば比較的うまくいきそう。と言う事は分かりました
と、いう事で二度目の試写。

ダークバッグ内で手探りでフィルムを巻くのも慣れてしまえば意外と簡単。
これは巻き上げ後に撮影したものです。


結果はうーん。もう少しコマが重なる勢いで沢山撮ってみたいんですが
慣れの問題なのか、考え方が間違っていたのか。。

写り自体はスッキリとしていてとても良好です。
露出計は無いですが意外と何とかなるものですね。少しずつ慣れて来ました。

暗いところも随分写っていると思います。期限切れフィルムの割には健闘しています。

あとは全体的に革が剥がれてきているのでこれを補修してあげたい。
構えてピントを合わせて撮るのに慣れていないのでパッと撮影は難しいですが
じっくり構えて撮るには面白いカメラだなと思いました。