令和フィルムカメラ(26) ILFORD DELTA400 と新しい現像液

こんにちは。上野治療室からです。カメラとフィルムのおはなし。

先日MARIX400で撮った写真。アレが随分と快適だったのです。

シャッタースピードが2段違うのは大きい。

粒状性さえ気にならなければパシャパシャと撮れて楽しい。

ならば比較的粒状性が良いとされるILFORD DELTA400はどうだろうか?

と思って試してみました。


フィルムを分割して2つのカメラで試したいが引き傷が出来るし
端をカットする分歩留まりが悪い、ということで
予めフィルムの端を別のフィルムに貼ってダークバック内で巻きとりカット。

そこから別のパトローネに貼り直し再度巻取り、という手順を試してみました

どうせ貼り合わせ部分は写らない訳ですし、これならカットするのも最小限で済みます。

カメラはMINOLTA CLE + Summitar。

AEモードで撮影してもマニュアルでも大差ないなと前回わかったので

軽くて手軽なMINOLTA CLEで撮影します。

撮影は3日ほどで終了。さて問題はどうやって現像をするか。

ILFORD DELTAシリーズはT粒子と呼ばれる乳剤を使用しているとされています。

感光する銀の粒子が揃っており目立ちにくくシャープネスも高い。


その反面、扱いが繊細。専用の現像液を使った方がよいとされており

Rodinalの静止現像は相性が良くないとの事。

(粒状性が悪くなる、シャープネスが高いので静止現像しても差がない、現像のムラやハイライト部が明るくなりすぎる、など)

だとしたら折角のお高いフィルム、綺麗に仕上げたい。

何を使ったらいいのか。。。悩んで悩んで買ったのはこちらでした。

Spur SilverSalt現像液。

ワンショットで保存性も高く、粒状性も目立たずシャープネスも高い

値段も量も手頃。という事でこちらで現像をしてみました。

Spur SilverSalt現像液 20℃ 1+20 14分(30/60/1)

写真はこちらです。クリックすると大きくなります

これ、正直なところ当初見た時はガッカリしました。。

粒状性が思った以上に目立つ、、中間部が全体的にのっぺりしてる感じ。。

なにこれ。。。

と思ったのですがじっくり見ているとそんなに悪くないなと。

T粒子のフィルムらしい階調とシャープネスが出ていていいかも。

暖簾にかかれている細かい模様までしっかり出ているじゃないですか。

そこに気づくと色々なことが見えてきます。

粒状性に関しては撹拌を雑におこなったからかもしれない。

次回改善出来るかも。。 課題がひとつ出来ました。

ビルの高所作業の様子。

オリジナルのネガからトリミングをしてあります。

意外と良く撮れているなと。

ビルのガラス面の反射もうまく捉えてますし

トリミングしてザラッとしてますが人物描写もしっかりしています。

石の凹凸と影の具合もいい感じですし

干された魚。かわいくて撮りました。

これ上野なんですよ。こんな風景が見られるなんて。

最後の一枚。引き傷がつきましたが暗い中ですが良く撮れました

と、課題が残ったものの次回につながる結果に。

という事で裏を返すべくKONICA IIIMで残りのフィルムを撮影してみました。

現像はSilverSalt現像液。撹拌をできるだけ優しく行いました。

Spur SilverSalt現像液 20℃ 1+20 14分(30/60/1)  攪拌を穏やかに。

日陰の紫陽花です

どうでしょうか!?粒状性は随分改善された気がします。

全体的にしっとりとしたDELTAシリーズっぽい写り!悪くないです!

落ちていた梅の実を撮りました

F8とかF5.6だと思うんですが結構しっかり背景がボケましたね。

これも粒状性はあまり気にならず。

先日撮って楽しかった柏のステーションモールです

壁の縦のラインがこれだけ繊細に!!粒状性も違いますね!!

という事で概ね大成功なのでは!?という結果でした。

現像は温度と時間と撹拌。当たり前のことなのですが勉強になりました。

ILFORD DELTAシリーズ

とても写りのいいフィルムだなと思いました!!

ただ自家現像に使うには現像液を選ぶのでこの辺が難しさなのかなと。

プロフェッショナルと呼ばれる所以なのかな?という気もしました。

やってみるとわかる事はありますね。勉強になりました。